町田総合高校事件を見て、36年前の忠生中学事件を思い出した町田市民は多いだろう。

2019年1月 町田総合高校で生活指導担当の50代教諭が、同校生徒(16歳)の顔を一発殴る事件が起きた。『顔面を殴った』部分のみを見れば教諭の行動は問題だが、殴られた生徒は殴られる直前、教諭に対し理不尽な罵倒暴言を浴びせていた。そのため世論では教諭を擁護する声が多い。

今回の事件で忠生中事件を思い出した人も多いだろう。知らない人のために忠生中事件を説明する。

 

■■1983年 町田市・忠生中事件■■

36年前の1983年2月15日 町田市の忠生中学校構内で、男性教諭(当時38歳)が生徒(当時15歳)の右胸をナイフで刺す事件が起きた。刺された生徒は日常的に男性教諭をイジメていた。雑巾を投げる、殴る蹴るの暴力、暴言…

事件が起きた日、生徒は校舎玄関にあった金属製の泥落とし用マットを男性教諭に向けて振り上げ殴りかかろうとした。身の危険を感じた男性教諭は所持していたナイフで生徒の胸を刺した。刺された生徒は奇跡的に全治10日の軽傷だった。

忠生中学PTA・署名運動

刺された生徒と友人グループは、以前から校内暴力を繰り返す問題児だった。問題児に追い詰められた男性教諭を助けたいと感じた忠生中学PTAは『嘆願署名運動』に乗り出した。補導委員24人が署名集めに参加し、取りまとめた署名は地検八王子支部に提出された。

男性教諭(当時38歳)の処分内容

生徒をナイフで刺したことに対して正当防衛が認めれ刑罰は科されなかったが、学校は諭旨退職になった。

東京都教育庁は25日、生徒に対する傷害事件を起こした東京・町田市立忠生中の●●教諭(38)を諭旨退職、○○校長を戒告とする行政処分を発令した。また町田市教委も同日、○○教頭を文書訓告処分にした。●●教諭からはすでに辞職願が同市教委に出ていたが、同庁では、生徒を傷つけたという責任を重くみて、依願退職ではなく、諭旨退職にすることを決めた。これによって、同教諭の退職金は、通常の4割に減額される。 引用元:読売新聞 1983年3月26日 朝刊 22面

刺された生徒と友人グループは書類送検

 忠生中学は荒れており頻繁に校内暴力が起きていた。町田署は二件の校内暴力事件に関わったとして、刺された生徒を含む忠生中学の3年生17人を傷害・暴行の疑いで東京地検八王子支部に書類送検した。

忠生中事件に対して思うこと

刺された生徒(当時15歳)の父親は当時38歳。教諭と同じ38歳だ。父親と同じ年の教諭に対し暴力や暴言を吐く15歳。どのような気持ちで非道な行動を繰り返していたのだろう、痛みは感じないのか。生徒の父親は、息子が、自分と同じ年の教諭に対して暴力暴言を繰り返し行っていたことを知りどう感じただろうか。息子が引き金となり、同じ年の教諭が職を失うことに対して罪悪感はあったのか、それとも刺されたことに対し怒りを感じたのか、気持ちを知りたい。

刺された生徒は後日「先生には悪いことをした」と反省の言葉を述べている。

 

■■町田総合高校事件■■

2019年1月に起きた町田総合高校事件では、生徒(16歳)が罵倒暴言を吐き教諭を挑発している動画がインターネット上に拡散されている。しかし同校校長は今回の事件に対し「殴られた生徒に非があるような内容ではない、生徒は校則違反をしていない、教諭が原因の暴力」と説明し生徒の悪事を隠蔽した。

忠生中事件では生徒をナイフで刺した教諭は正当防衛になった。

警察官が身の危険を感じ発砲した場合は正当防衛になる。

もしも町田総合高校の教諭が身の危険を感じるほど罵倒されていたなら、一発のパンチは正当防衛になるのではないか。生徒の罵倒暴言は今回のみなのか、それとも日常的に罵倒暴言や問題行動を繰り返していたのか、校長が真実を話していないので事実が見えない。

公正な立場の第三者委員会が事実を調査して欲しい。